神津牧場へ原付で行く話(後編:高崎〜神津牧場)

スーパーカブ

高崎からでも遠い神津牧場

前回からの続き。

蕨の自宅を14時半に出発し、その後5時間半をかけて高崎市山名町まで来ました。
すっかり夜になってしまったので一泊し、改めて高崎から神津牧場を目指します。

残すところあと60km。
しかしこれからの道のりは、これまでとは違う困難が立ち塞がってくるのです。

スーパーカブ50で行く国道254号の旅(後編)をどうぞ。

⑦高崎から坂口温泉、そして国道254号へ

スーパーカブ50で行く国道254号の旅、2日目は10時に高崎を出発です。

山名町という、高崎市の外れにある町(応仁の乱で争った山名氏の地元らしい)から、
再び国道254号へと合流するべく、進路を西へと取る事にします。

藤岡市から吉井町へ至る際に、国道254号は西へと方向を変えるためです。

そのため私は山名町から吉井町を経て、甘楽町に至る下奥平ルートを通りました。
こんな地名を列挙しても、地元の人くらいしかわかりませんよね。

念のため付け加えておくと、「吉井カントリークラブ」「中国火薬」などがある
道路になります。
交通量が少ない上にちょっとした山道なので、私は好んで通る道でもあります。

そしてその途中には、かつて皮膚病に効果てき面と言われていた
坂口温泉の小三荘さんがあります。

かなり歴史ある名湯一軒宿だったのですが、ついに営業をやめてしまいました。
近所すぎでなかなかいけないうちに失われた名湯。
深い後悔が残ります。

「わがまま温泉ファン」というブログなのに、温泉の情報が発信できないという。
カブを使いこなして早く秘湯名湯に入りたいものです!

坂口温泉があった場所を失意のうちに通り過ぎ、やがて国道254号線へと合流します。
そして甘楽町に入ったところで、ENEOS J-Quest甘楽店にて給油。

今回のツーリングでは蕨を出てから107キロを走ってきました。
前回給油時のオドメータが504キロだったので、148キロを1.83リットルで走りました。
すなわち燃費は80.8km/Lでした。

長距離をノロノロと一定速度で走ってきましたからね。
効率的な走り方をしてきたのです。にしても驚異的な燃費。さすがカブ。

燃料を満タンにして、再び神津牧場目指して走り続けます。

それにしても群馬県に入った途端に走るのがラクになりました。
絶対的な交通量が本当に少ないんですね!さすが群馬!!

⑧富岡、下仁田、そして道の駅

群馬県富岡市といえば世界遺産の富岡製糸場がある都市。
「世界で最初の富岡製糸」の富岡製糸。
そして野生の王国「群馬サファリパーク」がある富岡市。

歴史的には産業の要所であったはずなのに、製糸業が衰退し日本の主たる産業では
なくなった今となっては、よくある衰退しつつある日本の地方都市に成り下がっている。
その影響で車の数もやはり少ない。

少ないと言ってもバイパスなのでそれなりにはいますけどね。
埼玉とかに比べるともうスッカスカ。とても走りやすいし気持ちが良いものです。

とはいえ考えてもみれば、鉄道(上信電鉄線)も高速(富岡IC)もあるし、
それなりに歴史ある街だから、きっと住みやすいでしょうね。

さらに人が少なくなりつつある、というのであれば、都会的な生活で消耗した人には
なんだかんだ言ってもちょうどいい地方感なんじゃないか?と思うのです。
私、住んでも良いですねって思えます。

そんなことを考えながらトコトコ走っていますと、いつの間にやら下仁田へ。
なんで気づいたかっていうと、そこら中に下仁田ネギが生えているんですね。

生えているって言ってもちゃんと畑にです。

畑にこれでもかってくらいネギが生えていて、ネギが苦手は私にはとても辛い。
非常に辛い。
気分が悪くなってきたので、予定にはなかった「道の駅しもにた」で休憩です。

普段、車で来るとなればこんなところで休憩なんてしないんです。
なんでって、私の実家からも母の実家からも近いからです。

しかし今回はバイクで剥き出し、しかも50ccという非力なマシンできています。

前編の「道のオアシス神川」の件でも書きましたが、こういうこまめに設置されている
道の駅というのが、いかにライダーにとって有難い存在なのかって痛感するんです。
ありがたや、ありがたや。

それにしてもこの日は非常に気持ちの良い秋晴れでした。

とても気持ちの良い天気なので、道の駅にはツーリング中の人たちが結構います。
隣には原付二種(ピンクナンバー)のカブさんまで。
白い「川口ナンバー」を見てちょっとビックリされているようです。フフ。

ここの道の駅での時間がとても心地よいものだから、お花の写真なんて撮ってしまうほど。

もうお彼岸もすぎて、茹だるような暑さはようやく落ち着いたところ。
そんな季節感に思いをはせていたら、小一時間立ってしまいました。

ここからは山道、峠道がウネウネなので、ついにGoProを取り出して装着!
アクションカメラでカブちゃんのライダー視点をお楽しみください。

カブちゃんの振動でスマホホルダーが緩んで倒れてしまうので、一時録画停止です。

スマホホルダーは諦めて、スマホを仕舞ったところから再開です。
所々で車に道を譲っています。みんな飛ばすからね…。

 

⑨下仁田のさらに奥へ

道の駅しもにたを出発し、上信電鉄戦の終点である下仁田駅も通過します。
そして道はどんどんと山奥へと続いていきます。

だんだん勾配もきつくなり、50ccのエンジンでは4速で走り続けることができなくなります。
もう、常時アクセル全開!なカブです。ほんのり足下に熱を感じるようになってきました。

そんな中、群馬と長野を繋ぐ国道254号線の難所である内山峠の表示が出てきます。

峠を越えられる道は国道254号などの主要な国道のみとなっているため、トラックや
営業車がバンバン飛ばしてきます。

交通量が少ない分、飛ばす車だらけになるので却って身の危険が増したような格好。
そこで国道254号線の「旧道」へ、非力なカブは進路を変えていくのでした。

なんでって、せっかくの小さいバイクできているんだから、車じゃなかなかいけないような
狭くて細い、グニャグニャ道を楽しみたいじゃないですか。
そんなの言うまでもないですね。

一個前の動画(車に道を譲ったところ)から、国道254号の旧道へ入るところまで。
旧道こそバイク乗りの楽しみよね。車も少なくてとても快適。

 

⑩国道254号(旧道)から神津牧場へ

旧道とは、かつて使われていた歴とした国道です。
しかしそれは時に「酷道」として通るものの前に現れます。
ここ旧・国道254号線も、やはり酷道の名に恥じぬ立派な”酷さ”を備えておりました。

まず路面が荒れているのは当たり前。
交通量が極端に少ないので、多少の路面の凹凸は避けられます。

しかしこの旧道のすんごいキツイ勾配は、3速に落としても登れなくなりました。
まさかの国道で2速巡航。時に1速全開。

やはり峠の旧道は使い勝手が悪かったんだな。
新しい国道254号がバイパスって言われている意味がよーくわかった。

谷には橋を架けて勾配を緩めているんだ。
旧道を作った時代には架けられなかった橋。

そして大型トラックが走っても余裕のある道幅。
あんなに広い道を作ろうと思ったら、この岩の崖をけずらなきゃならない。
旧道の時代にはそんな難工事したら犠牲者が出るかもしれない。

そりゃ、急勾配でも頑張って登ろうとするよね。あーあ。

というわけで、山の影で電波も圏外になったり、人も車も全然いなくて、むしろ野生動物が
ノソノソと出てきそうな雰囲気の、半ばジャングル的な旧道を1人、進んで行きました。

カブの50ccエンジンがけたたましく唸るので、クマ避けの役割を果たしたようです。

時折り新しい国道254号と合流したり交差したりするのですが、いつしかバイパスの喧騒も
聞こえなくなり、カブの唸る音と鳥の声(?)しか聞こえなくなります。


そして案内看板に、ついに「神津牧場」の文字が。

すでに急勾配に対して、カブは常時1速または2速でエンジンをぶん回している状態。
それでいて速度は10km/h前後。
オーバーヒートしてしまうんじゃないかと気が気じゃない行程です。

というか、こんな狭くて急勾配な道にもいまだに「国道254 ROUTE」の青い三角看板がある
ことに驚きます。

もはやここは国道ではないだろう…と思うほどに細くて急勾配な苔の生えた道路でも、そこが
いまだに国が管理している国道なのだ、と誇りを持ってそこにあるかのような佇まい。

これだから「酷道」や旧道はやめられないよね。

辛い急勾配や孤独な深い森を行く行程に、テンションが変になりつつあるとき、ついにあの、
見覚えのある景色が目の前に現れるのです。

 

 

ここが神津牧場だ!

鬱蒼とした深い森の中の細い道、かつての国道(今は酷道)を抜けて行った先には、人の手が
入っている開けた草原が広がっています。

ここがあの「神津牧場」だ!

何度も訪れて見慣れているはずの風景ですが、この非力な相棒と到達できたことに
いつもとは全く異なる景色に見える不思議。
思わずここまで運んできてくれたカブの記念撮影をしました。

「原動機付自転車」という、名前からして遠出なんてできやしないであろうマシンによって、
私はついに神津牧場へとたどり着いたのである。
感無量ですね。


動画は神津牧場内でバイク置き場がないか彷徨ったときの様子です(おまけ)。

 

ここであのすんごい濃厚な牛乳やソフトクリームやビフシチューなどを食べたり…。フフ。

それも楽しみですが、ここ神津牧場はとても風水的にもよい気の土地。
そのためものすごく心地よいのです。
ここにいるだけでなんか幸せな感じなれる、という場所です。

穏やかな気持ちで牧場の住人たち(と言っても人ではない)を眺め、私は減量中のため、
やはりプロテインバーを齧る。

 


草を食むヤギの横では、おっさんがプロテインバーを齧っている。
なんてシュールな絵なのか。

しかしこの、ゆったりと流れる時間、動物に囲まれて自然に還ったかのような安心感。
なんともいえない安らぎよね。とてもプロテインバーがうまいと感じる。

ネコまでこんなに人懐っこい。
動物の警戒心が薄いことや気候が心地よいことが、人の心にも安らぎを与えてくれます。

ああ、このままここに住みたい…。

そんな妄想に浸っていると、少しずつ日が傾いてきます。
今日は車ではなく、究極の鈍足カブちゃんで来ているので、そろそろ帰らねばなりません。
片道8時間、滞在時間1時間。

しかしここへ向かう過程が楽しいからよいのです。
では、来たからには帰らねばなりませんので、帰宅編をどうぞ〜。

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