増富温泉 不老閣に行ってきた
温泉が好きでいろいろな温泉にいきたいんだけど、温泉にいく前に膨大な温泉の情報を収集
した上で、最高の温泉を選びたいと思っている私です。
そんな私が様々な温泉紹介本のデータを見比べて、コレだ!と思ったお宿に泊まりました。
それが、『驚異の秘泉 天然ラジウム岩風呂の宿』の不老閣さん。
※究極の源泉宿73――誰も書かない“源泉かけ流し”の真実(祥伝社新書462) P.176〜177より

橋の手前がわから、不老閣さんの全景。

不老閣さんの入り口。
老舗っぽい、激シブな雰囲気を湛えておられます。
湯治宿としてはかなり知られたお宿で、本気の湯治にいらしている常連のお客さんが
大半とのことです。
お風呂場での会話も、何日間滞在しているのかとか、体のどこが悪いのか、みたいな
話題が聞こえてきたりします。
そんな不老閣さんに、不摂生な生活でややわがままなボティに進化してしまっただけの
私がお邪魔したわけです。
なんか申し訳ない気分になりつつも、これだけ有名で効果が強いというラジウム泉に
大いに期待を抱きつつも、お風呂を堪能したわけですね。
温泉の泉質など

「不老閣ラジウム泉」という看板がありました。
泉質分類の「放射能泉」「炭酸泉」「塩化物泉」のそれぞれの成分を含んでいるようです。
そして適応症もそれら泉質に基づいたものが記載されています。
適応症
肝臓病、糖尿病、胃腸病、神経痛、リウマチ、痛風、慢性気管支炎、ぜん息、便秘、更年期障害、動脈硬化症、脳下垂体副腎系の卵巣・睾丸の機能亢進
各泉質ごとにも特徴が記載してあります。
放射能泉
お湯に浸かるだけではなく、飲むことによっても効果があり、そして何よりもその気体を鼻や口から吸い込むことが大切です。
入浴することで皮膚からも、そして鼻・口からもその恩恵を十分に体内吸収することが最も効果的な入浴方法です。
蒸気吸入をすることで、効能が最大限引き出せるというのは、放射能泉では良く言われている印象があります。
当然、不老閣さんにも「蒸気吸入室」が設置されており、温泉をアツアツの石(温泉成分の結晶化したもの)にかけて、
まるでロウリュサウナのような趣も味わえます。
私個人的には、お風呂(冷たい…)よりもサウナっぽい吸入のほうが入ってて気持ちいいなあと感じました。
サウナが好きなだけ…という説もありますが。
炭酸泉
低温泉で心臓に負担をかけず、血液の循環を促します。
心臓病はもちろん、更年期障害や不妊症、リウマチにも効果があります。
飲むとサイダーのように胃がスーッとし、胃腸病や便秘にも効き、利尿効果もあります。
炭酸泉は、医学的なエビデンスが得られている数少ない泉質。
他には硫黄泉(これも血流を促進する)がありますが、意外なことに他の泉質は「気分」で
効果を感じているところが否めません。
炭酸泉は温度が高いと炭酸ガスが抜けてしまうので、不感温浴(体温と同じくらいの温度)が
主流です。
さらにに末端の血流をも促進してくれるため、心臓への負担が軽減されます。
よって心臓の湯とも言われています。
ドイツでは医療行為として炭酸泉・硫黄泉での療養が保険適用になっているとか…
なんて羨ましい。
スーパー銭湯にいくと「高濃度炭酸泉」なるものがありますが、あれはぬる湯でもとても
温まるので、私個人としても好みのお湯でもあります。
塩化物泉
よく温まることから「熱の湯」とも呼ばれています。
保温力に優れ、神経痛やリウマチ、冷え性、打ち身、捻挫、不妊症にも効果があります。
飲むと胃液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にします。
吸入によって慢性気管支炎に効果があります。
熱海なんかはこれですね。
海の近くとか、昔海だったところに湧く温泉は大抵が塩化物泉のイメージ。
これはすんごい温まりますね。夏場に入ったら汗が止まらないです。
冬に入ると、もうこの世の天国気分。
不老閣さんでは冷たいお風呂で体が温まるという不思議体験ができるのですが、こういう
泉質の性質をも兼ね備えているからなのかもしれませんね。
(体を温めるための普通の白湯風呂もあり、そことの相乗効果もあるかもしれません)
今回、夏場だから冷たいナマの源泉に浸かれましたが、これが真冬だったら一体どうなって
いたことか…!
常連のお客さんたちにしてみれば、真冬でも気合いで入るそうですけどね。
私は冬にはアツアツのお湯に入りたいですわ。
温泉の含有成分
なお、含有成分としては以下のものを含みます。
ナトリウムイオン/カリウムイオン/カルシウムイオン/マグネシウムイオン/鉄イオン/塩素イオン/硫黄イオン/フッ素イオン/メタケイ酸/メタホウ酸/遊離二酸化炭素/ラジウムエマナチオン
何がどれだけ含まれているのか?ということを知りたい気持ちは大いにありますが、
そういう先入観を持つ前にまず入浴して体感だ…と思っていたら分析表を撮影し忘れました。
検索すれば分析表の画像はたくさん出てきますので、気になったらググってください。
成分を眺めて温泉の効能を想像するに、まず体がすごく温まりそう(冷たいのに)。
それから鉄泉の性質があるので赤茶色の濁り湯かな?とも。
硫黄と二酸化炭素を含むことから、血行が良くなって筋肉のコリとか疲れが取れそう。
お肌もツルスベ(メタケイ素など)になるかな?pHにもよるけど。
あとはナゾの放射能成分であるラジウムエマナチオン。免疫強化?
と言う感じでしょうかね。
あとは普通に家のお風呂でも得られる温浴効果(リラックスとか良く温まるとか)も。
成分を眺めているだけで想像入浴ができるようになりますね。
とはいえ、まずは実際に体験しないとなんともいえません。まずは入浴しましょうね。
飲泉について
大人(16才以上)1日当1合(180ml)までとし、3回に分けて用いること(60ml以下/1回)
4才以下は大人の10分の1 5才〜7才は大人の3分の1 8才〜15歳は大人の半分
年齢の分け方とか年齢ごとの飲泉可能量がとても大雑把に感じるのは私だけでしょうか。
温泉自体が「気分」から身体を改善していくものですから、そこまでの厳密性はいらないの
かもしれませんね。
まあ子どもはこのマズい温泉は飲めないでしょうから、あまり関係ないのかもしれません。
飲泉できる温泉自体は、湧き出した自然の性質そのままに供給してくれている素晴らしい
温泉の証でもあります。
なのですが、ここは鉄泉の性質も強く、とんでもなくマズい温泉です(褒めています)。
その分、効果はモノスゴいんでしょう。
群馬県の伊香保温泉の飲泉所で飲んだ、この世のものとは思えないくらい凄まじいマズさの
温泉を彷彿とさせる鉄の味です。
ぜひ不老閣さんを訪れた際には飲んでみてください。
お風呂の種類について
お風呂は冷たい源泉風呂と、休憩用(?)の温かい白湯の双方を備えた浴場となります。
冷たい源泉風呂も、慣れてくるとこれがクセになるというか。
水風呂ほど冷たくなく、かといって不感温浴ほど暖かくはないんですが、苦痛ではなく深い
リラックスへと誘う不思議体験ができます。
お風呂の画像は基本的に撮影NGなので不老閣さんの公式HPを見ていただくとして、
特にヤバイ感じにトリップできるのが「岩風呂」。
時間ごとに男女入れ替え制なので、フロントで確認してからGO!するお風呂です。
山をちょっと登ったところにある野趣あふれるお風呂で、そこのお湯(というか水)に体を
沈めると、微かに温泉が湧いてくる雰囲気の他には音が何も聞こえない状態になります。
時が止まったかのような体も冷やされて思考が冴える、「無」になるというか。
シータ波的な脳波が出てる感じになるんでしょうか。
熱い温泉にとは真逆の、頭は冴えているけれど超絶リラックス感が得られるお風呂です。
また、効能というか刺激度として強烈なのが「アトム風呂」と呼ばれるもの。
岩風呂の建物の上がり湯そばにある、超冷たい湯(水)。
これは体を沈めることはできませんが、手桶で掬って体にかけることができます。
そしてなぜすぐ近くに上がり湯(あたたかい湯)があるのかもわかります。
超冷たいから。
冷たすぎて効果とかはよくわかりませんでした。
私が特に病を患っているわけではないから、かもしれません。
そんな、ある意味刺激の強いお風呂です。
蒸気吸入室(まるでサウナ)
最後に、「蒸気吸入室」。
蒸気吸入室は大浴場に併設されている、なにやら怪しそうな温泉スケールの析出元と
予想される扉の向こう側。
熱せられた温泉スケールのような石に、これまた温泉をジュワーっとかける方式。
かけるほどに蒸気が増し、息苦しくなって汗も吹きだす。
まるで本場フィンランドのロウリュサウナのよう。
ここが私個人が主観的に最も心地よいと感じられる場所でした。
暑苦しくて狭くて暗い部屋で、自分で蒸気を発生させて苦しむという、もう最高の環境。
1人しかいなかったので、蒸気発生させ放題。
ただし長時間の滞在は体に良くないので、10分ほど自分を苦しめたあとで一旦出て、
休憩をしなければなりません。
普通のサウナなら、これで水風呂→外気浴→第2セットへ
となるところですが、温泉成分のなせる技か、一度の体験でへばってしまいました。
なんというか「もういい」と思えるほどの疲労感。
この日、泥のように眠れたのはいうまでもありません。
食事について
温泉宿に泊まる時の楽しみといえばもちろんお風呂もそうですが、その土地の素材を使った
お料理ですよね。
ここ不老閣さんでは、山梨の自然の恵をふんだんに使ったおいしくて体が喜ぶお料理を
いただきました。
まず初日の夕食。

はじめ、自分の体を気遣ってますアピールの雑穀米をいただいたのですが
(もちろんおいしくて感動する)、
同行した1人が、白いご飯のうまさが尋常じゃないというので、あらためて白いご飯を
いただいたのです。
そしたらなんとまあなめらかで甘みがあっておいしいのなんのって。
お風呂でデトックスしたあと、というのが影響したかもしれませんが、このご飯はあまりにも
美味しくて銘柄を教えてもらったほど。
「梨北米」という山梨県のブランド米だそうです。
こんなにおいしいお米、これまで知りませんでした…と驚いていると、
山梨県は農産物のアピールがヘタなんです…と。
とはいえ、このお米はすごくおいしい。
山奥の水がきれい、というのもあるでしょうがお米自体の評価も高いようなので、
まちがいなでしょうね。
【精米】山梨県産 梨北米コシヒカリ 白米 JA梨北 「A」受賞 こしひかり 5kgx1袋 令和元年産
こんなにおいしいお米を食べさせられたら、普段は雑穀ご飯を食べている私でも
白米をオーダーしますよ。
翌朝のごはんは、コレ。

普段は朝食が食べられないのですが、この日は(何度もいいますが)温泉でのデトックスが
進んでいるせいか、モリモリと食べられます。
特に白米はそのすさまじいまでの美味しさを体が覚えてしまったので、
これでもかってくらい食べました。
おかわり自由なのはとてもありがたいですね。そのかわりお腹が大変なことになります。
そんな幸福の絶頂、朝ごはんを済ませたあとには、最後の仕上げとして冷たいお風呂へ。
大浴場は男女入れ替えで時間差で両方に入れるので、前日未経験の浴場へ行きます。
朝から冷たい風呂に浸かるという、貴重な体験。
食事をしてポワーンとした頭が、冷たい風呂に入ると目が覚めるんです。
これが健康な人の朝の状態か、なんて思いました。
普段から朝はこのくらい冴えていれば仕事もサクサクすすむんでしょうなあ。
私は朝は血圧も体温も低いので、朝活のようなことには向かないんですね。
でもここの「ご飯+お風呂」を朝に体験したことで、なんとも言い知れぬ身軽さ、
爽快さを得ることになったのです。
増富温泉 不老閣に泊まって
源泉掛け流しにこだわった宿を集めた本である「究極の源泉宿73」で見つけた不老閣さん。
なぜここにいこうと思ったかというと、
- 埼玉からも3時間程度で行ける
- 山梨県(ぬる湯に入るなら山梨県と思ってる)
- 源泉から近いお風呂がある
が魅力だったためです。
予約方法が電話のみでもやっていけるというところに、集客の必要がないほどに
リピーターが多いということも予想できました。
それほどのお宿ならば是非行ってみたい思うものです。
そして泊まってみた結果、お風呂はとてもすばらしいのは当然ですが、
期待のさらに上を行ったこと。
当初は冷たい温泉なんて…と避けていたところもありました。
しかし源泉すぐ近くのお風呂を満喫して、やっぱり生きている温泉はいいわ…と、
冷たいとか熱いよりも、新鮮な温泉なのかどうかってことが大切なのだともわかりました。
あとは食事が最高においしくて体が喜んでいる感覚。
多くの温泉宿が食べきれないほどの食事を提供してくれますが、自分にとってはそこまで
大量の食事はあんまり…というのが正直なところです。
もちろん不老閣さんでも不足なく、おかわりOKだしおかずは盛り沢山でした。
しかし多すぎない。
おかずを食べきれないってことがなく、適度な満足感を得られて、食べすぎたという感じには
なりませんでした。
なんというのでしょうか、バランスの取れた宿泊体験…とでも言うのでしょうか。
激しすぎず、かといって刺激がないわけでもない。
ちょうどいい刺激で五感を呼び覚ますような宿泊でありました。
貸切風呂にはポイントカードがあって10回入ると1回サービス!になります。
今回私は入りませんでしたが、入った方の感想では、最高のお湯が独り占めできてとてもいい
とのことでした。
これは後日、ひとりゆっくり泊まりに行くときに入らなければ、とここに誓うのでした。
静かに、自分のペースで、自然の音に包まれての本格湯治に再び来たものです。
お宿で出た超美味しかったお米
不老閣を知った本


コメント